ERIAも採用、ビル全体の電力使用量削減にも取り組む
東北最大の都市、宮城県仙台市。その中心となる仙台駅の東口駅前にあるのが大内ビルだ。8階建て、現在20のテナントが入居している。1987年のビル完成と同時に1階にコンビニエンスストアが入居した。その後、有限会社 アクト代表取締役の大内光則さんが父親から事業を引き継ぎ、2011年からビルを経営している。
電気料金の請求も、各テナントに平等に按分するという計算のやり方を引き継いだ。新規入居時にはその算出方法を説明したうえで契約を結ぶようにしてきた。だが大内さんは「その計算方法は複雑で、全体の電気料金に対しテナントへの請求額に過不足が生じることもあり、その都度ならさなければなりませんでした」と内心このやり方でよいのか気がかりだった。
2017年1月、別のコンビニエンスストアの入居が決まった。大手チェーン店に対し、これまでのように電気料金の算出方法を説明しても了承してもらえるか自信はない。ちょうどその少し前にエコテナントの提案を受けた。日本テクノには、2002年からキュービクルの保安点検を委託しており、東日本大震災をきっかけにSMARTMETER ERIAも採用していた。電気料金についての懸念を解消できると、2016年にエコテナントを導入した。
それまでは大内さんが毎月決まった日に自ら検針していた。外出の予定もそれに合わせ、雨天でも屋上のメーターを読み取らなければならなかった。エコテナント導入後はそうしたやっかいな作業から解放され、他の業務に集中できるようになった。だが一番のメリットは料金算出の不安が払拭できたことだ。「正確な自動検針で、燃料調整費などの価格変動も、テナントさんに詳しく説明してもらえます」という大内さん。より信頼性の高いビル経営ができるようになった。
大内さんは東日本大震災後、電気は私たちの生活に必要不可欠なものだと再認識した。そこから省エネに対する意識が高まり、新型の空調や節水トイレの入れ替えにも積極的に取り組んでいる。今後はLED照明の導入なども検討し、ビル全体の電力使用量削減に力を入れようと考えている。