精神的な余裕が生まれ、バレエ教室の事業にも好影響
東京メトロ・表参道駅出口のすぐ目の前にある「表参道ビル」。場所柄に似合ったハイセンスなショップ、美容室、飲食店などが入居する地上5階地下1階のテナントビルだ。
ビルを経営する有限会社昌栄企画は、4階で貸画廊「アートスペース リビーナ」、5階で大人のためのバレエ教室「バレエスタジオ リビーナ」も運営する。
代表取締役の宮沢さゆりさんもバレエ教室で初心者向けクラスの講師を担当。その多忙なスケジュールをやり繰りしながらビル経営の業務にも手を抜かない。例えば、2年前まで自ら行
っていた電気料金の請求管理。宮沢さんは、当時を振り返り「電気代を家賃と一緒に月末に納めていただくため、毎月19日までに料金計算を終えて請求書を起票する必要がありました。それが本当に負担だったんです」と話す。
この電気料金に関する作業をまったくのゼロにしたのがエコテナントの導入だった。電気の保安管理で10年以上も日本テクノを利用しており、2年前その営業担当から電気料金の収納代行サービスを提案された。宮沢さんは「そんなにいいものがあるのなら」とすぐに採用を決める。
「作業がなくなり、精神的にもだいぶ楽になりました。メーターの検針日と、出張が重なったりして何度も悩んでいましたから」
導入前は、すべてのテナントに電気料金の請求を出すまで2〜3日の作業を要していた。まず20カ所以上ある子メーターの検針。店舗の中の配電盤内にあるものは、来店客の迷惑にならないよう営業時間外を見計らい、荷物が置かれているときにはどけてもらってメーターを確認した。屋上のメーターはのぞき込めない奥まった場所にあるため、伸縮する柄の先にミラーがついた点検鏡を使って読んだ。そうして集めた数値を、単価や基本料金の配分率などの計算式を入れ込んだパソコンに入力。表計算ソフトの参照させる位置などをチェックして請求書を出力していた。
「それでも気づかずにパソコン操作をミスして、電気代がおかしいとテナントさんから指摘されることもあったんです。今は、そんな気苦労もなくなりました」という宮沢さん。毎月あった懸念から解放され、日本にはまだ少ないロシアスタイルのバレエスタジオ運営に情熱を傾けている。