透明性の高いシステムで資産の付加価値向上も
千葉県柏市にある第6ヤマシンビルは、飲食店や接骨院、オフィスなどが入居するテナントビル。オーナーは、主に土地や建売住宅の分譲を手掛け、賃貸住宅の管理も行う東京都調布市の株式会社 ランドアジャストだ。
「これまでマンションなど集合住宅の賃貸管理業務は行っていましたが、一棟すべてに事業所の入るテナントビルの所有は初めてでした」と専務取締役の野口幸司さんは話す。ビルを購入したのは2015年1月。テナントの電気料金精算は前所有者のやり方をそのまま引き継いだ。
しかし戸惑いもあった。マンションであれば電気料金は、電力会社から各住戸に直接請求がいく。それが通常のテナントビルでは、オーナーがビル全体の電気料金を一括で電力会社に支払い、各テナントへの請求はオーナー自身が行う。その仕組みを、野口さんは電力会社に問い合わせて知った。ただそれでも、全体の電気料金から各テナントに割り振る前所有者の計算方法が正しいかどうか判断はつかない。このままでは料金算出の根拠をテナントから聞かれても満足に回答できない。実際、基本料金の計算方法が疑問だとの照会も受けた。
そんな曖昧な状況をクリアしようと情報収集し、行き当たったのがエコテナントだった。エコテナントはデジタルの子メーターでテナントの使用電力量を自動検針し、1円単位まで明確に料金が出される。しかも請求や料金回収まで代行してくれる。そうしたシステムを、説明に訪れた日本テクノ営業担当者から聞き、野口さんはすぐに採用を決めた。それが顧客への誠意ある対応であり、その姿勢は主軸の分譲事業や土地売買の仕事で常に心掛けていることだ。
導入は2015年4月。以降まったく問題はない。「会社のある調布市からビルのある柏市まで渋滞がなくても自動車で1時間以上です。遠方の物件だから安心できる委託先に任せたいと思っていた」という野口さんの不安は解消できた。
ビジネス上、将来的にはこのテナントビルの売却も視野にあるだろう。透明性が高く、請求管理の手間もないシステムを導入した物件は、資産価値を高める効果も期待できるのではないだろうか。