千葉県鎌ケ谷市、新京成電鉄の鎌ヶ谷大仏駅前に第一と第二の2つの玄蕃(げんば)ビルがある。オーナーである有限会社 ウインドフォールは、2001年に日本テクノの保安点検サービスを導入した。代表取締役の玄蕃秀一さんは「第一ビルにはコンビニエンスストア、第二ビルには飲食店があります。特にそうしたテナントに迷惑はかけられないため、以前は漏電や停電が起きれば、夜中でも出張中でも、自分たちで電気管理技術者を手配する必要がありました。その手間や不安は、24時間監視する日本テクノさんのお陰ですっかりなくなりました」と話す。
エコテナントの導入は2007年。このビルでは電気管理技術者が検針し、その数値をもとに妻の悦子さんが電気料金を按分していた。だが過去には「電気料金が高いのではないか」というテナントからの照会もあった。「一般的には家庭用の電気料金をベースに考えるので、ビル全体の基本料金を按分する複雑な計算方法は理解されにくい。きちんと説明できるよう電力会社に相談したりもしたのですが…」と悦子さんは振り返る。特にトラブルになりやすかったのが空室の出たとき。基本料金を他のテナントに振り分ける分、電気料金が高くなる。

飲食店が入居する第二玄蕃ビル
一方、エコテナントは料金の算出方法が明確で、使った分だけ請求されるため公平性が保てる。手間だった計算や請求の作業もなくなり、電力会社に先払いしていたビル全体の電気料金も立て替える必要がなくなった。これまで抱えていたトラブルの要因が解消され精神的な負担が大きく軽減した。
本来の業務に集中できるようになった悦子さんは、ビル経営についてこう話してくれた。「テナントさんとは、何かあればすぐ相談してもらえるような良好な関係を保っていきたい。それが、いつ退去されるかわからない不安の払拭や空室率の低減につながると考えます」。公平で明確な電気料金の算出方法もオーナーとテナントとの関係性構築に役立つことだろう。