JR国分寺駅から徒歩3分、緩やかな坂を下ったところにトミービルがある。地上5階、地下1階のビルに、薬局、ブティック、整体院、不動産会社など11件の店舗やオフィスが入居している。「実は地下1階には以前、村上春樹さんの経営するジャズ喫茶が入居していたんですよ」と有限会社トミービルデング代表取締役の菅原均さんは自嘲気味に話してくれた。
菅原さんは先代オーナーの兄とともに、検針から料金計算、請求書の作成・発行、集金、電力会社への支払いまですべて行っていたが、兄が亡くなり、それらを1人でこなすこととなった。しかし、将来を見据えたとき、後継者が未定で、その手間のかかる作業を誰かに引き継ぐのは難しいと感じていた。そんなとき電気関係のテナントから子メーターが古いと指摘された。元々、日本テクノの保安点検サービスを利用していたこともあり、2016年11月エコテナントを導入した。
導入してからは、「手間が省けて楽になりました」と笑顔の菅原さん。子メーターの交換もでき、検針業務と料金計算の悩みが解消された。
以前は毎月15日を検針日と決めていたが、テナントの休業日の関係で予定通りにいかず、検針後も20日までに請求書を発行する必要があり、その配布方法も電気料金の受け取り方法と同様さまざまで、面倒だった。
導入後は、支店を持つテナントから他の店舗と比べて高いという照会もあったが、そのときは、日本テクノの担当者が懇切丁寧に説明してくれた。「やはり、電気の専門家でない私が個々に説明するのは難しい。それが今は算出の根拠が明確になり、きちんと使用した分が請求される。公平です」と安堵している。
「たかが電気代ではないんです」と菅原さんは言う。テナントとの良好な関係が続いてこそ、ビル経営は成り立つ。最近、エレベーターのリフォームや防犯システムの導入などを実施したのもその一環。だから、電気料金1つとっても誠実に対応していきたい。エコテナントは、その思いを可能にしてくれた。「今後も、このビルに入居するテナント、そしてそこを訪れるお客様にも良い印象を与えたいですね」と柔らかな笑みを浮かべた。